東京―高山の往復には、いつも定期高速バスを利用しています。
高山駅を出発したバスは、一時間ほどで、平湯のバスターミナルに着きます。
そこで休憩がてら、平湯からのお客さんを乗せます。
そのターミナルのすぐ近くに、「ふるまい水」という水が引かれています。
水の味の違いというもの、じつは、私にはようわからんのですが、
飛騨の水とも当分お別れだな、というような小さな感傷めいたものがあり、
帰京の際は、毎回、水筒に詰めてバスにもどるのを習慣にしております。
この「ふるまい水」のことは、
去年の秋の記事でもご紹介しました。
あのときは、真っ赤に熟したヤマボウシの実が、
水盤にたくさん、たくさん、浮いていましたっけ。
今回、4月半ばの「ふるまい水」のようすは、こんなふうでした。

春の日差しをいっぱいに受けて、水がうれしそうに踊っています。
ちなみに――、
2月にこの場所を通ったときは、こんなふうだったんですよ。

おお寒!!
樋にはガッシリ、氷が張りついていました。
3月に通ったときも、似たようなものでした。
季節はちゃんとめぐるんですね。
春は、ちゃんと来るんですね。
すぐわきの水路には、フキノトウがいくつも出ていました。

ひとつ、お土産にいただいちゃいました。
あしたのお味噌汁に入れよう。
この日は、お昼までに東京にもどる必要があったため、
頑張って早起きして、朝一番のバスに乗ったのでした。
その、早起きの、ごほうび。

平湯のバスターミナルからは、
笠が岳が見えるのです。
晴れ渡った春の朝空に、何とも優美な白い笠。
どうしても皆さまにお見せしたいと思ったのですが、
......何なのだ、この見苦しいモヤモヤは!
(家に帰ってから、カメラのレンズをグッシグッシと拭いたら、取れました。)
起きてすぐには物が食べられないので、朝ごはんはバスに持ち込み。
きのうの祭りにいただいたお赤飯の残りを、おむすびにしたのです。

従兄のEにいちゃんの奥さんが、息子さん夫婦にもたせて届けてくださったお赤飯。
Eにいちゃんのおうちは、いまどき珍しい4世代同居の大所帯です。
息子さんご夫婦は、このお赤飯の配達に、
かわいいかわいい、生まれたての赤ちゃんを連れてきてくれました。
大きな蒸篭を重ねて、丁寧に蒸しあげられたお赤飯は、
赤ちゃんのえくぼと一緒に、一気に春祭りの気分を運んできてくれました。
あんまりお祭り気分の盛り上がっていなかったわが家に、
春を、連れてきてくれました。
ふるまい水といっしょにほおばったお赤飯は、
もっちりと香ばしくて、ふっくらとありがたい味がして、
涙が出そうになるほど、おいしくて、おいしくて。
* * *
平湯トンネルを抜け、松本から長野道、そして中央道へ。

わずか3日前に通ったときは、色らしい色などなかった甲府盆地。
この日、4月15日には、ピンクの桃源郷に変わっていました。
季節はちゃんとめぐるし、
人はちゃんと温かい。
言わせていただきますよ、
☆・長々とふるさと自慢におつきあいくださいまして、
ありがとうございました。
次回は、日本語の勉強にもどります。・☆