いないんだな。

 


 

「いないんだな」と思う。


アクリルたわしを編むとき。
毛糸を引っぱる猫が、

いない。


紐が大好き。
紐より毛糸が好き。
毛糸よりタコ糸が好き。

タコ糸より木綿糸が好き。
細い糸でよく遊んだよね。


五勝手屋の羊羹

(食べる分だけ糸で切る)
もらったときのウリ。

 

⇒☆糸電話

2013.02.22

 

 

 


ところで
アクリルたわしも
マイクロプラスチックの元になるとか。
環境にやさしくなんかないのだと
どこかで聞きました。
でも
すでに買ってある毛糸を
無駄にするのも、それはそれで

やさしくないと思うし
迷いつつ、たわしを編んでいます。



そう、

アクリルたわしでも
遊ばせてもらったっけ。
 

⇒☆ トリプル猫

2017.04.05
 

 

**

 

 


「いないんだな」と思う。


 

魚を食べた後の生ごみ。
いちいち蓋をしなくても
事件は起きない。
⇒☆サンマ事件

 


***


「いないんだな」と思う。



食卓の下の敷物を買ったのだ。
でも、荷物が届いても、
検品係が、
いない。





かわりに
写真を置いてみる。





オバちゃん、

いい買い物したよ。

これ
ウリ絶対気に入ると思う。



爪をとぎにおいでよ。



 

〜以下、さらに湿っぽい繰り言〜


―きょうは遅くなるから晩ご飯食べてくる。
―じゃあ、オイラも出かけようかな。
―え? あ、ああ......


先月来、オット氏とのあいだで

こんな会話が何度かありました。
この「え?」のあとには
「ウリのお給仕どうすんの?」
が続きそうになったわけです。
そして、「ああ」のあと呑み込んだのは
「そっか、もういいんだ」ということば。


綱渡りでスケジュールを合わせる必要はもうない。
互いに出かけたいときに出かけてオッケー。
家が何日留守になろうが、問題なし。


いつだったかのコメント欄に、

福坊ちゃんを亡くされたnonojiさんが
外出時に部屋が暑くないか寒くないかと心配せずに済むのがありがたい
というようなこと書いていらっしゃいましたが、
そのお気持ちが今はよくわかります。


先日、真夜中に地震があったときも
病猫を連れて避難できるだろうかなどと
思い煩う必要がないんだと思って、
心底ほっとする自分がいました。


ウリ猫がいなくなって人生まっくらだぜ、
と思っていたけれど、
いなくなってよかったことも

ひとつぐらいはあるよ、
というお話でした。