く、くるしい......

★日本語【〜くるしい/ぐるしい】

 

 

 

 





7月に入ったばかりというに、
 

連日の猛暑。
 

こんなときにお目にかけるべき写真ではないかもしれません。

なにしろ、
 

 


 

 

 

暑苦しい!

 


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さらに、ご丁寧に、

「暑苦しい」の上塗り。



ぬりぬり〜。


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いやなら、あっち向いてなさい。


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はい。

 

 






マダム・グリコの爪先の包帯は、
ここまで小さくなりました。

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毎日おくすり(抗生剤)を飲んで、
週3回の包帯交換にも協力的です。



暑苦しいけど、おりこうさんです。
 

 

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※いろいろの「〜くるしい/ぐるしい」を集めてみました。

 ガマン大会のつもりで、どうぞ(↓)。
 灰色しましまのおまけ写真、あります。

***

 


〜くるしい/ぐるしいコレクション】

 

単語をしっぽの音から引く、『日本語逆引き辞典』で、

「いしるく」を引くと、出てくる、出てくる。
 

 

苦しい、愛くるしい、息苦しい、聞き苦しい、むさ苦しい、

堅苦しい、暑苦しい、胸苦しい、寝苦しい、狭苦しい、

目まぐるしい、見苦しい、耳苦しい、重苦しい、心苦しい
 

 

このうち、「目まぐるしい」は、「苦しい」の複合語ではなく、

もとの形は「めまぎろし(目+紛ろし)」だったと考えられるそうな。

つまり「目がちらちらする」、ひいては「煩わしい」ということ。

古語辞典や大辞典を探すと、以下の例が見つかりました。
 

 

 ・散る花といづれ待て蝶めまぎろし(俳諧・埋草)
 

 ・舟がつくとあんま御用はといふてくる。

  一文菓子売るかか(=嬶)が、

  たびたびめまぎろしういふてくる(随筆・肝大小心録)
 

 

この2つめの例は、「ええい、うるさいわい!」という気分でしょうか。

今でも保津川下りなどで、物売りの小舟がわらわらと寄ってきますが、

あんな感じで、マッサージやお菓子の御用聞きが集まるのでしょう。
 

うるさいと言いながら旅先の喧騒を楽しんでいる気配も感じられますが、

いずれそのうち「まぎろし」の語源が忘れられて俗解が進んでいけば、

「目真苦しい」などと書かれる例も出てくるかもしれません。
 

ともあれ、ここでは「目まぐるしい」は、出自が別ということで、

きょうのお話からは外しておくことにします。

で、残りの「苦しい」の複合語について、改めてその読みを見ますと、

清音のままのものと、「るしい」と濁るものとがあります。
 

 

まず、動詞の連用形(マス形)に続くものは、濁っています。

 聞き苦しい、寝苦しい、見苦しい
 

 

そして、名詞に続くものも、濁点がついて「〜ぐるしい」です。

 息苦しい、胸苦しい、耳苦しい、心苦しい
 

 

それに対して、形容詞に続くものは清音のまま、「くるしい」。

 むさ苦しい、堅苦しい、暑苦しい、狭苦しい、重苦しい
 

 

連濁については、いろいろなルールが発見されていますが、

その一つに、「係り―係られ」の関係、すなわち修飾関係があると、

後部要素の語頭の清音は濁りやすくなる、――というのがあります。
なるほど、「聞いているのが苦しい」や「息が苦しい」には、

前の語が後ろの語に係っていく関係が見てとれますね。
 

 

一方、濁らないのは、前後の要素が対等に並列しているときです。

「むさくて苦しい」「暑くて苦しい」「狭くて苦しい」など、

たしかに修飾関係はなく、「&」でつなげただけの関係に思えます。

 


ううむ、見事に説明できるわい、と思ったのですが、

そう、一つ、その説明では片づかないのが残っています。

 愛くるしい

 


この「愛」は、いったい何? 

形の上では名詞としか考えられませんが、

意味的には「愛らしい」という形容詞にも取れます。
 

それにだいいち、なぜ「苦しい」のか?

ほかの「〜苦しい」が全部ネガティブな意味になるのに対して、

これだけは、100パーセントのほめ言葉です。
 

 

解せぬ。
 

 

暑いのとわからないのとで脂汗がにじむわが脳みそに

そのとき、ポッと浮かんだことばがありました。
 

 

 萌え死に

 


おお! 「愛くるしい」のモトは、原理は、これに違いない。

愛らしすぎて身もだえしちゃう、そんな感じ!
 

 

品詞問題も、連濁問題も片づかないままだけれど、

意味的には納得できたので(できる気がしたので)、

これにて撤退することにします。

これ以上考えると頭からケムリが出そうですし。

 

 

 

では、おまけ。

 


暑苦しい猫の、

 

 


(PCの排気口に脳天くっつけるの、やめなさいて。)

 



愛くるしいおてて。




ぐるじい......

 

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コメント

苦しくなるほど愛おしい,っていうことなのかなって
思います ^^
ウリちゃまのお手ても可愛くて,グリコさんと旦那様も
相当可愛いです!
包帯の色とグリコさんの色と,旦那様のシャツの色が
とってもマッチしていますね (≧▽≦)

  • ж∫цж
  • 2017/07/10 13:56

拙宅の、親族一同の、どこを見回しても、
グリコ嬢のようにヒトを暑苦しい目に遭わせてくれる
愛くるしい猫はいない。
ご主人さま、おしあわせねぇ♪

この「〜くるしい/ぐるしい」はとてもおもしろいですね!
もうちょっと深く隅々まで楽しみたいんですが、
頭がこれっぽっちもはたらきません。
猛暑が一段落したら、読み返す所存にて。

それにしても、ウリさん、この時期、
そんなにおつむをあっためないほうが、
いいように思うの……。

く・・・くるしい。
お二方ともそれはそれは愛らしくて。
それはたとえ猛暑でも愛は季節を問わず温まるものなのですね。
愛くるしいおりこうさんのお嬢さん達♪

ウリさんの頭から湯気が立ち上って見えるのは気のせいでしょうか・・・


◇ж∫цжさん、ありがとうございます。◇
その解釈しか考えられませんよね。まさに、「萌え死に」でございましょ? きょうもこの猛暑と愛くるしい猫らの攻撃で、各地に犠牲者が出ていそうです。キュンキュン!/包帯の色は、病院に行くたびに変わるので、おじちゃんはコーディネートがたいへんです。(え?)

◇こてちさん、ありがとうございます。◇
何をおっしゃいますやら。声なしのにゃあができるはなび嬢にしても、「んんっふ」の達人てっちゃま皇子にしても、凄腕がそろっておいでではありませんか。暑苦しくなく愛くるしいのは、願ったりかなったりでございましょ。(そういえば「愛くるしい」が漢字に変換されないのはなぜ? 嗚呼、謎は深まるばかり!)

◇ぽぽろさん、ありがとうございます。◇
こてちさんからもご指摘がありました。ええ、お声を合わせて注意してやってくださいまし。ウリのアタマも心配ですが、私はパソ子の熱中症が心配で、心配で。くっついてもいいけれど、ここは季節を問うてほしいものであります。

  • ニャンタのおば
  • 2017/07/11 09:07

ATOKは「愛くるしい」と変換してくれました。
少しばかり謎を薄めるべく情報まで。

この暑苦しい日々に、Tシャツでなくちゃんとシャツ、
しかもズボンに裾をイン。
まつがいなく、オジサマはいいとこのボンでいらしたに違いない。
グリコさん、オジサマの体温で早く治るといいですね。

  • 藏ゆ
  • 2017/07/11 14:07


◇こてちさん、あー、すみません。そうじゃなくて......◇
ことば足らずでした。IMEも「愛くるしい」と変換します。ただほかの「○○くるしい」と違って、「愛苦しい」とは出ないんです。そして自分でもそうは書かない。で、もも、もしかしたら「愛くるしい」も「苦しい」仲間とは別語源かも?と思った次第です。でも、今は考えません。時間もないし、暑すぎます〜。

◇藏ゆさん、早まってはなりませぬ!◇
「ちゃんとシャツ」とおっしゃいますが、これ、このよれよれシャツでしごとに行って来たのですよ。そして裾をズボンに入れてるのは、あれです、いわゆる「オタク・ファッション」なのです。Tシャツでさえ、中に入れたがります。さらに彼はしょっちゅうズボンを引っ張り上げる癖があります。ええ、もちろんズボンの丈は靴にかかってはいけない、寸足らずが好み。つまり全体として、ちょっとオタッキーな男性がよくやる、あのファッションですの。(いっしょに歩きたくない!)

  • ニャンタのおば
  • 2017/07/11 16:50