カワウソとキンさんのこと



2017年夏に報じられたこのニュース、
うれしかったな。

P1280595.JPG



河童伝説のモトになったとも言われる、カワウソ。
食物連鎖の頂点に近いほうにいる、大型の哺乳動物。
そのカワウソの生きていられる環境が、まだ残っていた......。

P1280594.JPG


 

ずっと前、日本列島から野生のトキが姿を消したとき、

とても悲しかった。
改めて調べたら、1981年のことでした。
佐渡に残っていた、最後の野生の群れが全員捕獲され、
ケージで保護されることになったときです。

今だったら、保護対象をケージに閉じ込めて「守る」のではなく、
彼らの生息地を保全する方法が優先されたかもしれません。

でも、当時は、保護=捕獲でした。


二度と日本の空を朱鷺色の大きな鳥が舞うことはない。
あの大きなうつくしい鳥たちは、

全員が金網の中に入れられてしまった。
そう思うと、つらくて、かなしくて、さみしくて......

トキは長命です。
「保護」されたトキの最後の1羽は、名前をキンといいます。

キンは、最後の群れに先立つこと10年以上前、1968年に捕獲されました。

そのキンが死んだのは、なんと2003年です。

生涯のほとんどを檻の中で過ごしたキン。

そのキンが死んだニュースは、衝撃でした。
ワタシ、そのころ住んでいた借家の屋根に上がって大泣きしました。

キンは、突然舞い上がり、ケージに激突して死んだというのです。

 

......ある日、

唯一心を許していた人の手によって、とらえられ、檻に入れられた。

長い年月をひとりで暮らしているうち、仲間もとらわれ、檻の中へ。
彼らとともに、檻の中でさらに長い長い年月を過ごし、

長い長い長い年月のうちに、仲間はつぎつぎに死に、そして......


檻の天井に激突。

まるで自死ではありませんか。


世界にただひとり生き残ってしまったキン。

さいごに、もう一度、広い空を飛びたかったのか。

そう思うと、気持ちがぐちゃぐちゃになったのでした。


P1280593.JPG

 

 

 

このほど見つかったカワウソの痕跡は、2匹分だったそうな。

世界にただひとり、じゃないことが、救いです。

 

生き延びてください。

そのままそこで、生き延びてください。

自由な川の中で、森の中で、生き延びてください。

 

ブログランキング・にほんブログ村へ   

コメント

キン 泣きました。
人間であること、無知だったこと、何もできなかったこと たくさんのことにごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい。
善人じゃないけれど... できるだけ目先の欲望に負けないように、植物はオーガニックで、無駄を減らすようにetc. ちいさなことからやる。
焼け石に水でもやる。
人間も自然の一部なことを忘れないようにしなくては。
カワウソ 人間がかかわらないこと 自然のバランスに任せることで増えるといいな。

  • きゃろりん
  • 2017/09/07 08:45

おばさまが屋根に上って大泣きしたそのワケと
トキの仲間やキンの生きることになった環境と
おばさまの気持ちとキンの気持ち・・・
平和ボケしている私の心にみんな沁みて
みんな衝撃をくれて・・・ブログを読み返して
涙が出ました (/_;)

  • ж∫цж
  • 2017/09/07 17:27

国の特別天然記念物って、なんなんですかね?
減った動物は、捕まえて殖やして外に放せばいいのだなんて!
乱暴で短絡的な思考だなーと思います。
キンは、唯一心を許した人間に裏切られたのだわ。
国の方針でキンを捕獲した保護観察員の方は、後に自ら捕獲したことを悔やんでいたそうです。。。

増えすぎたら増えすぎたで、捕獲殺処分!
人間ほど勝手な生き物はいませんよ!

おばさま、屋根に上がって大泣き…。
切なすぎて泣けました(涙)。

  • みわこ@奈良!
  • 2017/09/07 18:45

鳥は飛ぶためにこの世に生まれてきたのです。
檻に入れるなんて、とんでもない事だと思います。

ガンバレ カワウソ!!


◇きゃろりんさん、ありがとうございます。◇
ずいぶん感情垂れ流しの記事を書いてしまったと恥ずかしくなっていたのですが、そういう方向に読んでいただけてうれしいです! 私も「どうせ」とか「焼け石に水」とか思わないようにしよう、どんな小さなことでも諦めずにやろう、と思っております。たとえば庭のある人なら庭から! だから植物はオーガニックでとおっしゃるきゃろりんさんのご感想がうれしかった。ここにおススメの一冊。とっくにご存じかもしれませんが、『虫といっしょに庭づくり』http://books.rakuten.co.jp/rb/5574605/です。私が素人考えでやってきたことが正しかったのだとお墨付きをいただいた気分。まだ途中までしか読んでおりませんが、読んで楽しいガイド本です。もしまだでしたら、ぜひぜひ。地球上の農薬の使用量を、自分ちの庭の分だけでも減らしましょう。それがキンさんたちへのせめてもの供養にもなれかしと。

◇ж∫цжさん、ありがとうございます。◇
いっしょに泣いてくださって。ここまで生態系のバランスを崩したニンゲンです。今はもう、自然の力だけでバランスを取り戻すことはむずかしいと思います。崩した張本人であるニンゲンが、少しでもよい方向を見つけて復元に力を貸していかないといけませんね。個人でもやれることはあります。こつこつやっていきましょう。

◇みわこ@奈良!さん、ありがとうございます。◇
キンさんをとらえる役目を負わされたあの方は、ほんとうにお辛かったことと思います。人工飼育のための知識も技術も設備も不完全なあの時代、信じ切って身をゆだねて来た若いトキを、自らの手で......。どんなにつらく、またその後はどれほどくやしい思いをされたことか。とうてい責めることはできません。保護センターの人々にも、官からはプレッシャー、民からは猛烈なバッシングがありました。若き日の私は、一度薮内正幸さんのご縁で近辻さんにお目にかかったことがあります。高度成長期にかかったあの時代、野生のままでいてもトキは生き延びることはできなかったでしょう。今さら誰を責める気にもなれません。あのころに比べれば、今は保護の在り方も少しはまともになってきました。コウノトリの成功例もありますし、佐渡でも「トキが暮らせる田んぼで作られた米」がそれだけでブランド力をもつようになってきました。私たちもそれぞれに、身の回りでできることを探して、生活してまいりましょう。

◇きなこ姫さん、ありがとうございます。◇
上のみわこ@奈良!さんのお返事にも書いた通り、当時は、農薬まみれの野外で、トキたちがそのままで生き延びるすべはなかったと思います。ですが、結果的に「ただ檻の中で長生きさせられただけ」になってしまったキンさんが、哀れでならなくて......。今は時代が少しはよい方向に変わりました。個体の保護より、環境の復元・保全です! カワウソが生き延びられる環境が、どうか保たれますように。(ヤモリさん、戻ってきてくれてよかったですね。シロアリとの共存は無理だから薬剤使用は仕方なかったこととはいえ、さぞかしやきもきなさったでしょう。よかったよかった。)

  • ニャンタのおば
  • 2017/09/08 10:06

おばさま「虫といっしょに庭づくり」のご紹介ありがとうございます。
有機・無農薬で土づくりをはじめてます。
いろんな虫と出会います。
虫にも問題児がいますから まず敵を知らねば。
共存できますように。 
読んでみます。

  • きゃろりん
  • 2017/09/08 21:03

この世にある種の動物がいなくなった…というニュースを耳にするたび、本当にがっかりと悲しみがこみ上げます。
野生動物保護のボランティアをしていた時、そのテのシンポジウムに結構参加させて頂きました。
その中で“日本の動物園の在り方”みたいなのもあって『展示より純血種の保存という場になって行く』という言葉にちょっと違和感を感じた記憶があります。
野生動物は自然界で生き暮らすのが本来の姿ですものね。
このテの話題は熱くなってしまうので、、、(汗)

  • nonoji
  • 2017/09/08 22:46


◇きゃろりんさん、お仲間宣言、ありがとうございます。◇
途中までしか読んでないのにオススメしたりして無責任なようですが、これは絶対たのしい本だと思います。じつは今年、わが庭にイラガが大発生しまして、さすがに焦りましたが、「害虫」の大発生はけっして異常なことではない、ただしそれが何年も続いたら異常だ、というくだりがありました。多様性が維持できていれば、小さな庭でも自助復元の力があるのだと。心強く思いました。何も殺さずに暮らすことはできませんが(そもそも食べていけない)、自分の生存が地球の害になるようなことは少しでも減らしたいと思います。そういう生活はたのしいですし♪ わが家から殺虫剤(=農薬)を追放してから20年近くになりますが、快適に生活できています。たのしみながら、がんばりましょ!

◇nonojiさん、ありがとうございます。◇
この手の話題は、私も理性が吹っ飛ぶところがあります。今回も感情だだ洩れの記事を書いてしまいました。思えば動物園や水族館が嫌いになってしまったのは、佐渡の一件以来だったかもしれません。小さいころはそれなりに動物園もたのしめていました。今はむしろ「種の保存」が、動物園の存在意義の大きな柱になっていますよね。私は「展示」よりはそっちのほうがまだしもマシな理由だとは思っていますが、やっぱり閉じ込められることになる「個体の心」を思うと、苦しくなってしまって、足が向きません。

  • ニャンタのおば
  • 2017/09/09 09:38