猫が手を貸してくれない。

★日本語【慣用表現「猫の手も借りたい」】

 

 

 

 

 

こちら、2017年も暮れようとするころの

銭湯「う」の入り口でございます。
 

 

 

枠ごと外してきて、猫と遊ぶ。

 

 

 

 

 

ウリ〜、やっほ〜。

 

P1300259.JPG

 

 

 

 

 

湯上りかい?

 

P1300261.JPG

 

 

 

 

 

のぞいちゃ だめっ!

 

P1300255.JPG

 

はいはい、失礼いたしました。

 

 

 

 

 

銭湯「う」の外壁は障子張りですが、

灰色でしましまのだれかさんが、適当な時期に穴をあけてくれるので、

そのつど張り替えるのが恒例でした。

が、

なぜか去年は一度も、ただの一度も、穴があかず、

無傷のまま、すっかり黄ばんでおりました。

 

 

で、しょうがなく、年の瀬に障子の張り替え。

破られてもいないのに張り替えるのって、

なんだか張り合いが(張り甲斐が)ないものです。

 

 

 

 

で、「破ってみない?」と猫を誘う。

 

P1300269.JPG

 

飼い主がお手本に破ってみせたところに、

しずしずと手を入れる猫。

 

 

 

 

ほんとに いいにょ?

 

P1300275.JPG

 

いいからいいから、バリっと行っちゃって!

 

 

 

 

――と言うのに、

やっぱり、しずしず。

 

P1300277.JPG

 

 


 

踏み抜いて、焦る。

 

P1300276.JPG

 


そして、

障子戸を外した跡地に行って、

さみしそうに言うのです。

 

 

 

 

のれんが にゃいです。

 

 

わかった、わかった。

おばちゃんが破って、張り替えて、すぐに戻すから!

 

 

障子に穴をあけない猫なんて、

なんだかなあ......。



 

ブログランキング・にほんブログ村へ
 

※「猫の手も借りたい」という表現について、
 どうでもいい(けど気になる)ことを考えてみました(↓)。

***

慣用表現「猫の手も借りたい」をめぐる雑談

 

2018年最初の日本語バナシは、肩慣らしに軽〜くいきたいと思います。

今回、ウリ猫に貸してもらえなかった「猫の手」について、

手もとの国語辞典をパラパラめくってみました。

 

==

 

非常に忙しくどんな助けでも欲しいさまにいう。

(新潮国語辞典)

 

いそがしくてたいへんなようす。

(三省堂国語辞典)

 

非常に忙しく手不足なたとえ。

(現代国語例解辞典)

 

非常に忙しいというたとえ

(岩波国語辞典)

 

非常に忙しくて、どんな人にでも応援してもらいたい状態の意に用いられる。

(新明解国語辞典)

 

非常に忙しく手不足な様子をたとえていう。

(日本国語大辞典)

 

※赤字は引用者。

==

 

ま、予想したとおりというか、各辞書の記述に、さして違いは見えません。

赤字にした部分の有無に、ささやかな個性が表れている程度です。

 

じつはわたくし、この赤字に関する部分に、小さな期待がありました。

「猫の手も」という部分に、ふたつの解釈が可能だと思っておりましてね、

それによって、全体の解釈が大きく変わってくるであろうと思ったのです。

以下のふたつです。

 

 ,泙辰燭何の役にも立たぬことがわかっている猫でもいいから

 

 ▲優坤瀛瓩蠅覆匹任忙しい猫に頼んだら悪いかもしれないけど

 

この部分を語釈に加えているのは、上記の辞書では新潮と新明解でしたが、

残念ながら、どう猫びいきに解釈しても、両者とも,ら出発している。

△硫椎柔はゼロなんですかね?

 

たしかに近年、ネズミ捕りに従事している猫は少ない。

でも、猫はカワイイがしごと、という名言がございます。

ですから、その「カワイイ」に忙しいとこを悪いけど、とか、

はたまた、1日23時間も寝続けるという激務の最中に悪いけど、とか、

そういうのは、アリだと思うんですよね。

 

......。

だめでしょうか......。

 

 

肉球

 

 

いくら何でもこれだけでは、手を抜きすぎな感がいなめませぬ。

『日本国語大辞典』の「ねこ」の項を見ていて発見した、

へえ!な表現をふたつ、ご紹介いたしましょう。

 

 

 

猫の蚤取り

猫の蚤を取ること。また、それを業としたもの。

浮世草子・西鶴織留三・四「五十ばかりの男風呂敷をかたにかけて、猫の蚤取りましょと声立まはりける」

随筆・燕石雑誌三・九「又猫の蚤をとらんと呼びあるきて、妻子(うから)を養ひしものもありけるとぞ」

 

…にゃんと猫の蚤取りが商売として成立していた!

 家族を養うに足るほどの収入になっていた!

 いい時代ですなあ。

 

 

猫の鼻

常に冷たいもののたとえ。

譬喩尽三「猫の鼻と愛宕山は正夏も冷ゆる」

諺苑「猫の鼻と傾城の心は寒(つめたい)」

 

…愛宕山って、あの愛宕山? 都心の最高峰、標高20数メートルのあの山?

 それとも京都のほうの愛宕山かしらん?

 どっちにしても、涼しいとは今は思えないけど、昔は涼しかったのかな。

 

…お女郎がなびかないのを猫の鼻にたとえるって、アハハ、何それ!

 たしかに起きてるときの猫の鼻はちべたい。

 ちべたいけれども、うーん......、

 フラレてもあんまりこたえてない感じがするぞ。

 っていうか、むしろ喜んでないか?

 

 

以上、今年の日本語バナシも、こんな感じでゆるゆるまいります。

広いお心でおつきあいくださいますれば、幸甚至極。

 

 

おまけ写真。

外壁修繕の終わった銭湯「う」と、お客さん。

 

P1300310.JPG

 

今破るのは、やめなさいね。

 

 

 

↓励ましのポチを、ありがとうございます。↓
コメント

あぁ!なんて可愛いお顔するんでしょ(≧▽≦)♪
初めてのれんが付いたその日のウリちゃまも
ホンっト可愛かったです!
でも『どうぞ』と言われるとしずしず・・・がまた
可愛い(^^)
△諒は考えてもみませんでした(・・;)
でもそれアリだと思います!

  • ж∫цж
  • 2018/01/15 12:48

ウリちゃんの
ほんとにいいにょ?のお顔が
とても可愛いです。
ウリちゃんはばりょばりょ破かない
・・・お行儀がいいのですね(^w^)

猫の手も借りたい、というフレーズ
人が忙しく動き回っていても我関せず
お昼寝している猫さんのことを
認めて受け入れていても
思わず手伝って欲しいと思ってしまう
人間のせわしなさをいましめる、という
ような感覚で捉えると
猫さんの肩を持ちすぎでしょうか(^^;

  • まちゃ
  • 2018/01/15 22:42

うりの湯 改装オープン。
「お客さん お待たせしやした。ささっ」
ウリちゃん あどけないお顔しますね たまらん。

猫のいぬ間に障子の張替えをいたしましょう。
きれいに張れたな うふっ。 
どこからともなく軽い足取りの猫。
踏み抜いて下さいました。ううっ
猫の手はけっこうでございます。

私「猫の蚤取り」巧いんです。
バイトできたのになぁ〜 妻子のかわりに猫養ふ。
まちゃさん いいです。
相手は猫ですものね。

  • きゃろりん
  • 2018/01/16 08:29

大昔、季節感たっぷりに、暮れといえば大掃除。
畳を上げ、障子を張り替えていたころ、
うちにはまだ手を借りる猫がいなくて、
ヒトの子供であるわれわれがばりばり破いておりました。
そののち、初代の猫がやってきて貼り替えどきでもない障子を
ぱりぱりやってくれましたっけ。
モミジなど挟んで補修したなぁ。

やはりその、なんですね、猫ってぇものは
言われて動くイキモンじゃござんせんね。
もちろん四六時中カワイイにお忙しいんじゃ、
そりゃあ、あなた、しかたありませんや。

あ、ウリさん、いま爪は立てないほうが……。


◇ж∫цжさん◇
ね! アリですよね! 御多忙中のところまことにあいすまんけれども手を貸してくれないか?と頼んで、そうして、貸してもらったところで後悔する、と。これが猫飼いの醍醐味でございますよ。/1年間、この障子が無事であったことにおどろきました。ウリもオトナになったものです。

◇まちゃさん◇
猫と暮らした経験のあるひとなら、みなさん賛成なさると思います。貸してほしいような、そのまま寝ててほしいような、......ね。/ウリはお行儀がいいわけではなく、単に障子の存在を忘れていたのだと思います。ブームはいつ再燃するかわからないので、油断はできませんわ。

◇きゃろりんさん◇
猫の蚤取り、どうやら風呂敷が商売道具のひとつだったようですよ。元手が要らなくて、しかも好きなだけ猫をもふもふできて、いい商売ですよね。それでお金がもらえるなんて!/今回は、飼い主がお手本に破いて見せても「しずしず」やってました。かつてはあんなに熱心に穴をあけてくれたのに。

◇こてちさん◇
そうそう! 大掃除の障子破り、かつては子どもの「しごと」でしたね。親公認で破いてもいい、というか、破いといてと頼まれる。何ともいえない背徳のヨロコビを感じるお手伝いでした。最後の写真、この右手がどうにもアヤシイ動きを見せておりましたが、このときは無事でした。/やっぱり24時間激務続きの猫に手を貸してくれなんて、頼んだわたくしが悪うございました。

  • ニャンタのおば
  • 2018/01/16 14:58