読書感想文



おばちゃんが まじめくさって なにか かいてるです。
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あい。
きのうの文型解説にあげた2つめの例文;

被災地の復興には、迅速果断の中にも、環境へのこまやかな配慮が求められる。

にことよせた、読書感想文です。



きっと たいくつにゃ。
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そうかもしれないけど、どうしても、書いておきたくて。

読んだ本は、こちら。
いっしょにお読みいただけたら、うれしいです。


『巨大津波は生態系をどう変えたか』
永幡嘉之(講談社ブルーバックス)






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※つたない感想文、読んでくださろうという方は、つづきをどうか。(↓)

* * *

大震災のような非常時に、環境保護を云々することはタブー視されがちです。
一日も早く、「生活」を取りもどすためには、
環境アセスメントなどの悠長な手続きをしている場合ではない、と誰もが思います。
 
でも、そうした復興事業が、取り返しのつかない自然破壊を引き起こしているとしたら......
それは復興後の生活を、非常に貧しいものにしてしまうのではないか。


――復旧か自然保護か、というニ極論に陥ってはいけない。
  人間らしい生活を取りもどすためというのであるのなら、
  「ほんとうに豊かな生活」を送るための自然環境を残してゆくことにも、
  最大限の努力をすべきではないのか。

昨年の夏のことになりますが、そう呼びかける本を読みました。

  『巨大津波は生態系をどう変えたか』
   永幡嘉之(講談社ブルーバックス)


* * *

たとえば、これは想像ですけれども、
被災地に取り残された動物たちの保護に奔走した人々、
避難所や仮設住宅にペットを同伴させてくれと訴えた人々、
そうした方々にも、きっと、
――犬猫の心配をする暇なんかあるもんか、
  苦しんでいる人たちを助けるのが先だ!
ともすれば、そんな非難が浴びせられたのではないでしょうか。

上の本の著者、永幡さんも、
――自然保護だ? 観察だ? 調査だと?
  そんな呑気なことやってられっか、堤防のかさ上げが急務だ!
  そこの浜が空いてるんだ、瓦礫はそこに突っ込んどけ。
そう言われることをおそれながら、
ご自分でも、こんな悠長なことをしていいのかと煩悶なさりながら、
津波の襲った長い海岸線をこつこつと歩き続け、生態系の変化を観察し、
記録にとどめる努力をなさいました。

でも、それは絶対的に必要な調査であり、記録でした。


たしかに、津波も「大自然のいとなみ」には違いない。
でも今回の津波が過去の津波と違うのは、ほとんどの海岸線の生態系が、
津波襲来以前に、人為によってすでに危機的状況に追いつめられていたことです。

だから、人為による配慮と手助けがなければ、
津波襲来後の生態系の回復は、きわめて、むずかしい。
そして、そのためには、確実な調査と記録が必要だったのです。

永幡さんと、そして、その記録を本にしてくれた出版社に、感謝します。

* * *

復興とは「豊かさを取りもどす」ことでなければならないと思います。
住めればいい、というような、妙に禁欲的なレベルで満足してはいけない。
(家畜やペットを連れて逃げることも、けっして贅沢などではなかったはずです。)
東北の文化を形づくってきたものたち、山、川、浜、海、そして花や虫や鳥たち、
彼らと人間とが共生する、「真に豊かな生活」をあきらめてはいけないと思います。
被災した人たちに、それをあきらめさせるような復興は、復興ではないと思います。 
* * *

それで、お前は何をするのだ?と聞かれると、うつむくしかありません。
でも、永幡さんのこの本を手に取ってくださる方が、一人でも増えたら、
それだけでも、何かにつながる気がして、ご紹介しました。

お読みくださって、ありがとうございました。


ありがとでしたにょ。
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いやウリよ、高いとこからお礼を言うのは、どうなんだろうか。



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応援をしていただけたなら、
心強いです。

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コメント

この本の紹介ありがとうです。
自分からはなかなか手を出さない種類なので、刺激になりました。読んでみます。

色んな所に頭の下がる思いのする方々がいらっしゃるんですね。
尊敬します。
反面、半世紀ダラダラ生きてる自分がチョイ残念(>_<)です。(;´д`)トホホ

  • sotoni
  • 2013/03/14 16:30


◆sotoniさん、コメントありがとうございます。
 自分が読んだ本を公開するのは、何とも気恥ずかしいことでしたが、
 読んで!読んで!という気持ちが上回りました。
 花や虫が好きな人だったら、純粋に興奮すると思います。
 生態系を巨大な爪で引っ掻き回す大津波は、思いもかけない結果を見せます。
 自然界の変化を科学の目で見る作業も、必要なのだと思いました。
 ただ、そこにヒトの生活があったゆえに起きてしまった悲劇。
 葛藤しながら調査を進める著者の誠実さにも惹かれました。
 ぜひお読みくださいませ。

  • ニャンタのおば
  • 2013/03/15 08:16

昨日の環境省主催「野生動植物への放射線影響に関する意見交換会」(私も大熊町のミツバチ調査を報告しました)でも,研究者は,調査だけしていてのいいのか,復興を念頭におかねばならないのかといった確認発言がありましたが,人間としての部分と研究者としての部分は両立しないわけではないんで,という流れでした.科学的であることを役立てることはできるし,その点で昨日のような会が情報を公開する場として機能すればいいという意見も.どれも当たり前のことなんですが,確認して気持ちを共有することには意味があったように思いました.
復興における自然との付き合い方については,東大の鷲谷いづみ先生が「震災後の自然とどうつきあうか」という本を出されています.鷲谷先生は「さとやま――生物多様性と生態系模様」の著者(本はたくさん書かれていますが)でもあり,やや急進派の環境保全学者という感じの方です.合わせて読んでみるとよいかも知れませんね.

  • junbee
  • 2013/03/15 09:01


◆junbeeさん、コメントありがとうございます。
 そうですとも、「両立」はできないわけはないです。
 そもそも「人間部分」と両立できない研究なんて、おかしいと思うし。

 本のご紹介ありがとうございます。
 タネの本は読んだことある気がします。
 好みだったような気がします。
 『どうつきあうか』は地元の図書館に入ってたので、さっそく借りてきます。
 (買わないのか? うん。最近、文庫と新書しか買ってないんだ。) 

  • ニャンタのおば
  • 2013/03/15 19:18

震災から2年経って、我に返る時間ができたら
こういった視点で物事を考えられるヒトが
もっともっと増えれば、もっと違う着地点を
探せるんじゃないかと思います。
二次的な人災も減らせたのでしょうね。

ワタシも図書館のお世話になろうと思います。

  • 藏ゆ
  • 2013/03/16 17:54

◆藏ゆさん、コメントありがとうございます。
 我に返ると自分が壊れてしまうほどの衝撃を受けていたら、
 それもむずかしいと思いますが、
 できる人から順番に、我に返らないといけない、
 次善ではなく最善を、目指さなければならないと思います。
 著者の永幡さんはあの日、奥様が田老の実家にいらしたという方です。
 幸いご家族は無事でしたが、
 冷静な記述の裏に、葛藤する研究者の迫力を感じました。

  • ニャンタのおば
  • 2013/03/17 08:03