2014.04.18 Friday
顔なじみ
春先は庭で何やらかやらいじるのが、たのしい季節。
地面の下にも、命があふれかえっていて、驚かされます。
ギボウシがあんまり窮屈そうだったので、植え替えようと、
えいっと掘り上げたら、こんな根っこが出てきました。
見覚えが、ある。
いや、よーく知っている気がする。
でも、思い出せない。
だれだっけ。
ギボウシの株にからんで邪魔になっていたので、抜いてはみたものの、
だいじな植物だったら困るので、しばし保護観察処分とすることに。
「知ってる人の名前が出てこない」という事態は、
認知能力の減衰を示すものだそうですね。
こわいこわい。
でもわたくし、わりと若いころからそのキライがあったようでして、
忘れられないほど物悲しい経験がふたつ、ございます。
ひとつは、もうかなり前。まだ30代のことでした。
毎日のように会っていた女性と、ちょっと意外な場所ですれ違ったんですね。
おや、こんなところで、と思いつつ、軽く頭を下げました。
ところがその女性、私の会釈はぜったいに目に入っていたはずなのに、
まるっきり無視して行ってしまうではありませんか。
なんだかショボンとした気分で数メートル行ってから、
あ......
その人、駅の隣りの小さなスーパーのレジ係の女性でした。
小さいといったってレジが4、5台は並んでいる店だし、
なにしろ駅近ですから、客は毎日数えきれない。
その他大勢の私の顔なんか、覚えていなくて当然だったのでした。
*
もうひとつは、2、3年前のこと。
とある上水べりの遊歩道を自転車でフラフラ進んでいたら、
顔なじみのおじいさんが車から降りてくるところでした。
あんまり親しく口をきいたことはない人でしたけれども、
そこはやはり軽く会釈をして通り過ぎました。
ところが、またしても私は路傍の石ころのごとく黙殺されたんですね。
なんだ、なんだ、いい人だと思ってたのに!
と、内心プンスカしながら自転車のペダルをギコギコ。
あ!
谷川俊太郎氏でありました。
「あんまり親しく口をきいたことはない」って、あなた、
い・ち・ど・も、口きいたことなんかないでしょうよ!
まあ、そんな具合ですのでね、
この根っこも、念のために数日保護しておいたわけです。
正体は、これでした。
ヤブガラシ!
ええ、「ヤブを枯らすほど旺盛に生い茂る薮枯らし」です。
うれしそうに伸びようとしているところをすまんけれども、
あわてて引っこ抜きました。
本日の教訓。
万一知らない人から親しげに会釈されたときは、
とりあえずニッコリ返すようにいたしましょう。
(のさばられる危険はあるけれども。)
くだらない話におつきあいくださったお礼に、春の花バナ。
ニリンソウ
トサミズキ(グリコに要らん!と言われたかんざし=☆)
イチゴ
アオモジとウリ鼻
ヤブガラシも、
花は、なかなかかわいいのです。
おまけ:ヤブガラシが食べられるらしいと聞いてネットをうろついたら、
こんなおもしろいサイトに行き当たりました。
庭の厄介者 ヤブガラシを食べる
文章もたのしい!
よし、ヤブガラ氏はきっとまた出てくるだろうから、
そんときは天ぷらだ!
ウリ鼻可愛い〜!(≧▽≦)