薮内正幸美術館


薮内やぶうち正幸まさゆきさんという方をご存じでしょうか。

動物画家です。

名前はごぞんじなくても、その絵を一度でもごらんになった方は、多いはず。
たとえば、サントリー愛鳥キャンペーンの、大判のポスターや、新聞広告。
(サントリーのHP内のこちらに、作品のアーカイブがあります。)
このキャンペーンは、企業の意見広告として画期的なものでした。
1973年から十年以上の長きにわたって展開されていましたから、
当時すでにモノゴコロついていた方なら、一度はお目にとまっているのではないかと。

たくさんの児童書や絵本にも描いていらっしゃいます。
岩波書店の斎藤惇夫作『冒険者たち―ガンバと15ひきの仲間』
『ガンバとカワウソの冒険』などの挿絵に胸躍らせた子どもも、多いはず。
それに、福音館書店の「どうぶつ絵本」シリーズの数々。

さらに、何かというと「広辞苑によれば」と引き合いに出される、あの『広辞苑』の、
動物関連の挿絵は、すべて薮内さんです。

つまり日本の動物画界の一大巨頭であり、先駆者でもあった方。
その絵は単に緻密・細密であるだけでなく、何より「正確」でした。
動物学、動物行動学などの専門家をうならせる、正確無比の絵を描く方でした。

生態はむろんのこと、骨格や筋肉の動き、羽毛の構造までを熟知していたからです。
だから、写真では決して撮れない行動、姿態、瞬間を、絵にすることができました。
実際には見たことのない行動でも、描けました。
現実に見ることは不可能なアングルからでも、描けました。
P1060459.JPGこんなカッコや、

P1060458.JPG
こんなカッコは、お茶の子。



――というスゴイ方なのですが、
なぜにとつぜんそんなスゴイ方の話を始めたかというと、
不肖わたくし、そのヤブさんを、ナマで存じあげていたからです。

今思えば、なんたる稀有な幸運であったろうと思うのですが、
20代のぴーひゃららな若造であったころの私は、
ヤブさんに会うのがただただ楽しくて、東京は荻窪にあったご自宅に通いつめておりました。
それには、奥様である戸田杏子さんのタイ料理がべらぼーにおいしかったからというのもあります。

戸田さんは戸田さんで、これまた多彩な顔をもつ女性でしたが、今は触れません。
なんでそんなスバラシイご夫婦と知り合えたかという話も、長くなりますのではしょります。

ヤブさんは、雑然とした、にぎやかな場所で描くのがお好きで、
まわりでワカゾーどもが戸田さんのタイ料理を食らい、ビールを飲みしているわきで、
茶の間の食卓に画材を広げ、うれしそうに、楽しそうに、描いていらっしゃいました。
しょうもない駄洒落を連発しながら。

福音館の本の中に、『なにのこどもかな』というのがありますが、
その絵を描いていらっしゃるところに行き合わせたことがあります。

――これはね、「何の子どもかな」と発音するんじゃないんだよー、
   「ナニの子どもかな?」って読むんだよー。どっひゃっひゃ。

とスケベそうに笑いながら、イノシシのお母さんの額の毛を1本1本描いていました。
駄洒落の才は、絵の才能ほどではなかったようです。(大阪モンでいらっしゃいました)。


そのヤブさん、あまりにも早く、60歳であっさり亡くなってしまいました。
2000年6月のことでした。
以来、もう、あたらしい絵は生まれません。

でも、その原画を、どかっとまとめて見られる場所があります。
薮内正幸美術館です。

縁のあったサントリー白州蒸留所の、すぐわきにあります。
冬季休館で、3月中旬に開館。
今年も、春が来て、オープンいたしました。

館長をつとめているのは、息子さん。
ひょうひょうとした話しぶり、まじめにおちゃらけるその態度、
ヤブさんを彷彿とさせます。
館長日誌も、おもしろいですよ。

春のお出かけに、山梨方面を予定なさっている方は、ぜひ。
バードウォッチングが趣味の方は、
お手持ちの図鑑が、ひょっとしたらヤブさんの絵かもしれませんね。
ぜひ、その原画の魅力に触れてください。

林の中にたたずむ、こじんまりとした居心地のいい美術館です。
お土産になるグッズも、なかなか楽しいものがそろっています。


P1060450.JPG
ウリのこんな顔とか、こんな指先とか、描いてほしかったなあ。

春は  
花と鳥の白州へ! にほんブログ村 教育ブログ 日本語教育へ 薮内正幸美術館へ!

〜て(も)いい #続き

〜て(も)いい #続つづ


っちゃった♪
P1060193.JPG
すっきり〜。


うらもすっきり〜。

イトコのR姉ねえちゃんがくれたチリメン細工ざいくの猫ねこストラップ、
ようやく居場所いばしょができました。


さっそくウリのチェックが入はいります。
P1060187.JPG
あやしいやつ。

P1060188.JPG
ちゃいっ!


おおっと!
たかいところには置かないように、気をつけなければ。


このおもちゃ、
ウリにくれても にほんブログ村 教育ブログ 日本語教育へ いいにゃよ。
あげないし。おもちゃじゃないし。

シール取りたい病について(↓)
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〜て(も)いい

てもいいです。


ところで、このケータイですが......、
P1060179.JPG
表面ひょうめんのシールは、
ってしまってもいいですか?


【かたち】
 「動詞どうしのテ形けい+(も)+いい。」
  ◇食べる⇒食べてもいい、飲む⇒飲んでもいい、寝る⇒寝てもいい


【意味いみ
 「Xてもいい」は、
 〈Xをすることに、問題もんだいや不都合ふつごうは、ない〉ということ。


【例文れいぶん
 ◇お  ば 「ウリ、爪つめってもいい?」
   ウ  リ 「だめ。」

 ◇グリコ 「おじちゃん、ひざっていい?」
   お じ  「どうぞどうぞどうぞどうぞどうぞ


【関連表現かんれんひょうげん
 〜なくて(も)いい; 〜てはだめ、〜てはいけない、〜てはならない

このぼたん、おしてもいいですよ。
イヤ、そうじゃなくて! にほんブログ村 教育ブログ 日本語教育へ てください


ても......いいんだろうな、たぶん。

えいっ!


* * *

あっ、2回にかいつづけて猫ねこが出ていない!
あした、出します!
あした(曜日もくようび)に続つづく!

〜そこねる

っくり返かえしそこねる


ホットケーキを焼くとき、いちばん好きな瞬間しゅんかんは、
フライパンを両手りょうてでかまえ、えいやっと引っくり返かえすとき。






ああっ、っくり返かえそこねました

P1060166.JPG

あーあ......。
P1060167.JPG

【かたち】
 動詞どうしマスけい+そこねる
  ◇(ボールを)取る ⇒取ります ⇒取りそこねる
  ◇(彼女かのじょの名前なまえを)聞く ⇒聞きます ⇒聞きそこねる

 「〜そこねる」はグループ2の動詞どうし
  そこねない‐そこねます‐そこねる‐そこねれば‐そこねて

【意味いみ
 〜することに失敗しっぱいする/〜するチャンスを逃のが

【例文れいぶん
   ◇ウリはほんとうはとてもかわいい猫ねこなのだが、
     おばは、いつもかわいい顔かおりそこねてしまう。
   
   ◇近所きんじょの美猫びねこの名前なまえきそこねた

【関連表現かんれんひょうげん
 〜そこなう、〜そびれる


* * *

でも、まあ、裏うらを見なければいいのです。
P1060173.JPG
バターを乗せて、メイプルシロップをかけて、完成かんせい
ちょっと斜ななめになっているので、バターが流ながれるけれども、
あじは変わりません♪


はるめいた日曜日にちようび にほんブログ村 教育ブログ 日本語教育へ のんびり朝あさごはん。

フライパンのせいではありません。(↓)
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〜てしまう

てしまった


ついに
P1060180.JPG

とうとう
P1060182.JPG

てしまいました、ケータイ。

                           ※ケータイ ←ケイタイ ←携帯電話
けいたいでんわ


地球上ちきゅうじょう最後さいごのひとりになるまで、
「ケータイもたない人間にんげん」でいるのだ!
――と、がんばってきたけれど、
このたび、世間せけんの圧力あつりょくに負けました。


なんか、くやしい......。
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意味や例文は(↓)。
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〜の【所有】 #2


ウリわたしいすには、カバーがかけてあります。
べつにおしゃれのためではなく、爪つめとぎ防止ぼうしです。
(爪つめをとぐのは、私わたしじゃなくてウリです、念ねんのため。)

で、洗濯せんたくと気分転換きぶんてんかんをかねて、
そのときどきに、いろいろな布ぬのをかけています。

これは、マレーシアの田舎町いなかまちで買った、バティックの巻きスカート。


すわるの?
ウリいすに、すわるの?
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ほんとに すわるつもり?
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どいてよぅ。 にほんブログ村 教育ブログ 日本語教育へ いやにゃ。


別館「この人が好き♪―保護猫・保護犬と暮らしてるから!更新!

お二人目は、湯川れい子さんです。

〜の【所有】

〜の【所有しょゆう


ウリいす

P1050002.JPG
                               ※一歳いっさいごろの写真しゃしん


「XY」のかたちで、
〈XがYを所有しょゆうしている〉、
〈YがXに所属しょぞくしている〉ということ。

XもYも名詞めいし
Yが何なにかわかっているときは、Yを省略しょうりゃくして、
「X」だけのかたちで つかってもいい。


【例文れいぶん
◇このいすは、ウリいすです。おばちゃん(いす)じゃありません。

ウリ 「このいす、ウリ♪」
  おば 「いいえ、私わたしです。」

◇おじちゃんおさしみは、グリコもの。
 グリコ
おさしみは、グリコもの。



* * * * *

わたし(=おば)いすは、しょっちゅうウリに乗っ取られます。
たいへん座すわり心地ごこちのいいいすなのですが、
ウリがどいてくれないので、私わたしは前まえのほうに
「へっぴりごし」で、ちょこんと座すわらなければなりません。
たいへんに疲つかれます。
つかれて後うしろにもたれようとすると、「あひっ」と変へんな声こえが出るいすです。
こしにカイロを当てたみたいで、冬ふゆはまあポカポカと暖あたたかいですけれどもね。


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『この人が好き♪』出発!


別館「この人が好き♪―保護猫・保護犬と暮らしてるから!営業開始!

きのう予告しましたとおり、お一人目は、浜島直子さんです。
めったにテレビを見ないわたくし、浜島さんてドナタ?だったのですが、
ふと目にとまったタブロイド版折込紙で、光をまとったような笑顔にひかれ、
記事を読むうちに、今回の新ブログのアイデアが、たちまちポワンと浮かんできました。

それまでだって、きらびやかなタレントさんや華やかな各界著名人の中で、
(こう言っちゃナンですが)意外な方が、保護された動物と暮らしている記事を
目にすることはありましたけれど、ついぞ、こんなことは思いつきませんでした。
浜島さんの笑顔が、春風とともに、私の背中をとんと押してくださったのだと思います。

みなさまも、どうぞ、彼女の笑顔に会いにいらしてください。
「この人が好き♪―保護猫・保護犬と暮らしてるから!


えっと、せっかくの更新ですので、
春のおまけ画像をご用意しました。
わが家のウラの空き地で見つけた、ちっちゃな春です。
P1060217.JPG
ホトケノザのブーケ、オオイヌノフグリ添え。


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ついでですから、雑草のお話をすこし。
「つづきを読む」からどうぞ。
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