2012.10.30 Tuesday
玉の輿
「カワイイ」が板についてきた、ニコ。
あいかわらずカリカリをお皿のふちに追いつめては逃げられていますが、
猫の本分たる「カワイイ」に関しては、ひとまず合格かと。
ニコがこれですから、イッコのほうは、グッド・コニャンコ賞確実です。
ふたりとも、もうどこに出してもりっぱに「子猫」で通用するでしょう。
ハツカネズミ疑惑は、完全に払拭されました。
そして、
このたび、
そんなふたりに、すばらしい幸運が舞い込みました!
里親さん決定です!
「しゃとおやしゃん?」
そうですよ。
それも、この上なくすばらしい方からプロポーズをいただいたのですよ。
手を挙げてくださったのは、なんと、
獣医さん
新学期は始まるは、離乳はうまくいかないは、お腹がゆるくてまみれるは、で、
にっちもさっちも行かなくなり、2泊2日、病院に預けたお話はしたかと思います。
そのときに、見初められたのです。
この春からその病院に勤め始めたばかりの、新人獣医さんに!
ストリート出身のちび猫にとって、これ以上の玉の輿があるでしょうか。
いんや、ない!
* * *
正直な話、ネットで里親探しをする難しさを考えますと、
それに、日々かわいくなっていく一方のイッコニコを見ておりますと、
つい、このままうちの子に♪という誘惑にも駆られておりました。
しかし、わが家に次に迎えるべきは、順番として、庭猫のグリコです。
極寒酷暑にも元気なグリコですが、彼女とていつ体調をくずすかしれません。
そんなとき、家に入れてやれるだけの余地と余力を、残しておきたい。
だいいち、イッコニコは今年の秋に生まれたばかり。
順調ならこの先20年だって生きるでしょう。
飼い主になるべき人は、人生の折り返し点をとうに過ぎた私たちなどより、
もっとずっと若い人のほうがいいに決まっています。
それに、今イッコニコを手放しておけば、
もしまた猫神さまにご下命を受けるようなことがあったとき、
何とかお受けすることができるでしょう。
あるいはもっと年をとってから、また猫を迎えたい心境と環境になったときは、
行き場のないオトナ猫を引き受けることができるでしょう。
つまり、救える猫の「総数」が増えることになります。
しかも、先さまは、血液検査の結果を待たなくてよいと言ってくださいました。
それはつまり、イッコニコを「まるごと」引き受けてくださるということです。
道に捨てられているのを見たら、私がしたと同じように拾う、ということです。
そういう方なら、だいじょうぶ。
そういう方となら、イッコニコはまちがいなく幸せになれるでしょう。
もらっていただくことに、決めました。
* * *
そして、名前も、イッコ(一胡)とニコ(ニ胡)を、
そのまま、もらってくださることになりました。
とてもかわいくて似合っていると言ってくださいました。
ひそかにとても気に入っている名でしたので、これも、うれしいことでした。
ただし、今は里親さんの(物理的な)受け入れ態勢が整わないため、
おひきわたしは、12月の中旬になります。
うひ♪
まだ1か月半ある♪
* * *
怒涛の授乳期も、修羅場のまみれ期も、過ぎてしまえば、わずかの間でした。
今は、すっかり手がかからなくなりました。
洗濯物はぐんと減り、乳母は晩酌をたのしみ、夜もぐっすり眠れております。
里親さんにお渡しするまでの、これからのひと月と半分は、
拾い主特権で、預かりっ子のカワイイを、ひたすらに満喫したいと思います。
読者の皆さまにも、その悪魔的カワイイをできるかぎりお裾分けする所存。
ただどうも、日に日に機動性を増す彼らに、カメラがついていけんのです。
ほとんどが「なにやら白いモノ」の写真になるかと思いますが、
どうぞおつきあいくださいませ。
イッコニコの行く末を案じてくださった皆さま、
引き受けてもよいと連絡をくださった方、
ありがとうございました。
イッコニコは、自分たちで玉の輿を引っ張ってきました。
これ以上望めないほどすばらしいお人の心を射止めてくれました。
彼らの甲斐性と幸運を、ともに喜んでいただければ幸いです。
**おまけ**
おばちゃん......
このむこうに なんか います......
そうなのよ、ごめんね、ウリ。
何かいるのよ。
もうちょっと、この部屋に入るのは、しんぼうしてね。
戸の内側には、いっちょまえのチンピラ小娘。
「ぷしゃ〜っ!」