帰って来た、ミタ!



ちゃーんと見てるわよ。

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昨夏、思いつきのようにして立ち上げた留学生は見た!シリーズ
わずか3回で休止しておりましたが、久々に復活させます。

今学期も、千葉大でわたくしの読解のクラスに参加してくれた留学生に、
読んだものに関連するテーマで、考えていることを書いてもらいました。
どれもおもしろかったのですが、そのうちから4点、みなさまにご紹介します。
※当ブログに転載することについては、本人の了解をもらっています。
※今週は、毎日更新(一部予約更新)の予定!


まずは、オーストラリアから来た、Jさん
お題は、「日本人によく言われること」です。

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写真では読みにくいと思いますので、下に書き写します。
最小限の訂正を入れました(赤字と灰色部分)。


日本人とはじめて話すときによく言われるコメントは「え、日本語が
ほんとうに上手ですね」だ。私にとって、これはとてもいやだ。なぜかというと、
3つの理由がある。まず、私はもう9か月ぐらい日本に住んでいて、じこ
しょうかいすらできないということはありえないと思う。店で注文するとき、
「〜おねがいします」とだけ言っても、スタッフはよくはっとする。次に「上手だね」
言われると、「ちょっとー、私が日本語ができないと思っていたの」と感じる。
最後に、私の国には英語がペラペラ外国人が多い。私にとってそのような人たちに
「上手だね」とコメントすることはとてもしつれいなことだ。まとめとして、
日本人は「この外国人日本語が上手だね」と思っときに、言おうか迷ったら
言わない方がいいと思う。仲よしならいいが、知り合い程度の人には言わない方がいいと思う。



いかがでしょう。
心当たりのある日本人は多いのではないでしょうか。

ほめるというのはむずかしい行為です。
少なくともひとの能力に関わることについて「上手だ」と言うのは、
ともすれば、「完璧ではない」と思っていることの裏返しですものね。
気をつけなくては。


Jさんは、自分の意見をしっかり持っていて、それをはっきり言える人。
いつも、クラスでの議論を活発にするきっかけを作ってくれました。
Jさん、「日本でやりたいことリスト」、少しは短くなりましたか?
暑さに負けず、残りの日本滞在をたのしんでくださいね。
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ちょと宣伝
たまーに
先生はとても上手に教えました。ありがとうございます。
と言われて、ウレシカナシイ気持ちになる教師S。
なぜカナシクなるのか、そこには深い理由が存在します。
くわしくは


17章
お読みくださいませ!

あしたは、ドイツのUさんです。
そうです、あしたも、お越しくださいませ!


留学生は見た! ―ハナの話



見た、見た!
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「留学生は見た!」第3弾は、ドイツのミヒャエルさんです。
ええと、なんだか、ドイツの人ばっかりになっていますが、たまたまです。
今学期のこのクラスは、11人のうち4人までがドイツからの学生でした。




画面が見にくいので、下に、書き写します。



時々ドイツと日本のマナーかちかんがちがうと思います。例えば
ドイツで風邪をひいたら、かならずハンカチを使った
ほうがいいです。使わないで、いやな音を立て、はなを
きれいにするためにほかのほうほうを使ったら、これは
マナー違反だと見られるかくりつが高いと思います。
日本は反対でしょうここでハンカチを使わない
ほうがいいと信じているようです。マナー違反だからです。




日本語教師として、ミヒャエルさんのこの作文を読んでまず感心したのは、
「いやな音を立ててはなをきれいにするためにほかのほうほうを使」う、
という部分。
「すする」という動詞が、まさか鼻水にも使えるとは思わなかったのでしょう。
知っている語彙と文法を総動員して、代わりの表現を編み出したのです。
おみごと!


そして、内容については、日本人として、そうだそうだ!と思います。
風邪の季節になると、あっちでもこっちでも、
ズズッ、ズズッ、といやな音が聞こえます。
お願いだから、ひと思いにズビ〜ッとハナをかんでちょうだい!と思います。
※ハンカチやティッシュで「鼻をきれいにする」ことを、「鼻を」と言います。
 「ガムを」とは別の語です。活用はおなじですが、アクセントが違います。


日本人のみなさん、
ラーメンやソバなどの麺類をすする音については、
日本の文化として理解してくれる外国人が増えています。
でも、ハナはだめです!!
あの音は、汚いです!

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ウリだって、そんなことしにゃい!

むろん、花粉症や慢性の鼻炎などで、
「かんでもかんでもキリがない」という方には、
同情の余地ありですけれど。


ともあれ、ミヒャエルさん、
日本人もハナをかまないほうがいいと信じているわけではないんですよ。
でも、近年は、人前で大きな音を立ててハナをかむのは恥ずかしい、
と思う人が、たしかに増えてきているような感じがします。
ご指摘の通りです。


ただ、ハナをかむとしても、日本人はハンカチは使いません。
ティッシュです。
ハンカチでハナをかむという習慣について、
日本人の私も、外国映画などで見て知ってはいましたが、
初めて実際に目撃したときはぎょっとしました。
日本人にとってハンカチは、ぬれた手や顔の汗をふくためのものです。
はなをかむときは、ティッシュを使います。


とにかく、私がずっと気になっていたことを、代わりに書いてくれて、ありがとう!
ああ、すっきりした♪


* * *

クールな外見に似合わず、じつはお茶目ちゃめなところがあるミヒャエルさん、
クラスでは、「ビールといえばミヒャエル」という感じで、
ほかの学生の作る例文で、よくネタにされていましたね。
ユーモアの感覚は抜群ばつぐんでした。
もっとお茶目な部分を見たかったのに、留学期間が終わってしまって残念です。

ドイツに帰ってからも、日本語の勉強をつづけてくださいね。
そしてまた日本に遊びに来てください!


自己紹介のとき、私のクラスをとった理由を聞いたら、
「単位のためです。」と答えたミヒャエルさん。
あれもユーモアだったと信じて、
シミズは来学期も生きていきます!
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留学生は見た!―目の話


こっち見て〜!
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カメラを向けるといつもそっぽを向くウリ
そんなウリに読ませたい、「留学生は見た!」第2弾は、

ドイツのレベッカさん
の作文です。




画面では読みにくいので、下に書き写します。



ちょっとマナーと違うことなのだが、ドイツで誰かと話しているときちょくせつ
見ることは普通だ。ゃくに、相手の話を聞いている間違う
ところに目を向けるのは失礼ことだ。「あなたと話したくない。違う
話す相手をさがすよ!」とか、「あなたの話はつまらないよ」という意味を
ているからだ。
しかし、日本では、ずっとアイコンタクすると、日本人の相手が不安になる
場合が多いだろう。
そのため、私も日本では日本人の目ずっと見ないようにするが、ときどき
それで話が分からなくなってしまう。




じつは私も、日本人学生を相手に授業をするのが苦手です。
ほぼ全員が下を向いていることが多いからです。
外国人留学生相手の日本語のクラスとは、かなり雰囲気が違います。
留学生がキラキラした目をこちらに向けてくれる情景に慣れていると、
日本人学生相手の教室では、なかなかエンジンがかからなくて、つらい。

とはいえ、あまりにじっと目を見つめていると、
「私に(オレに)、気があるの?」と誤解されることもありそうですね。
眉と眉の間ぐらいを見つめるといいと聞いたこともあります。
少なくともそっぽを向くのはやめたほうがいいんじゃないでしょうか。
ましてや、ケータイの画面を見ながら話すなんて、淋しすぎます。

だから、ウリや、きみも、たまにはカメラにほほえんでくれたまえ!

* * *

初めての自己紹介のとき、「趣味は着物です。」と言ったレベッカさん。
日本人の友だちも多いらしくて、発音がじつになめらか。
若い友人たちとの会話から、生きた日本語の表現を拾い上げるのもうまくて、
私などより、ずっと「いまどきの日本語」が上手です。

ドイツに帰ってからも着物好き、日本好きでいてくださいね。
そしていつかまた、新しいゆかたを買いに、遊びに来てね♪


=補足=
ウリはカメラ(のレンズ)は大きらいですが、
ヒトの目はいやがりません。
おしゃべりするときは、じっと見つめてくれるんですよ〜♪
でれでれでれ......
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※ついでにひとこと言いたい。
 マニュアル接客の、アノ件について!(↓)
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留学生は見た!―バラバラ?


じゃんっ!
新シリーズの始まりです!
タイトルは、



「留学生は見た!」

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なーんて、シリーズ化するかどうかはわかりませんが、
留学生が日本に来て、「あれ?」「へえ!」と思ったことを、
日本語ネイティブの読者のみなさまに、ご紹介したいと思います。

千葉大学に留学中の学生たちが、先学期、書いてくれたものです。
私が担当する読解のクラスでは、日本の小説やマンガを教材に使っています。
その一つ、『ダーリンは外国人』の中に、「ざるそば問題」というのがあります。
そばをすするときの、例の「ずずっ」という音をめぐるお話です。

それを読んだ後、マナーというものについて、
自文化との違いを感じる例があったら教えて、と頼んで書いてもらいました。

3人の学生が、ブログへの掲載を快諾してくれました。
ちょうどお盆休みの時期ですので、文型の勉強はお休みして、
今週は、「留学生は見た!」シリーズ全3回をお楽しみください。


では、第一弾は、ドイツのラースさんです。
※国や名前を出すことについては、もちろん本人の承諾を得ています。



写真でもスキャン画像でも、どうもうまく表示できないので、
下に書き写します。
日本人読者のために、最小限の訂正を入れました(赤字と灰色部分)。



マナーいはんとは言えないか知らないが、日本ではよくあるバラバラに
食べはじめるパターンはドイツではけっこうしつれいかなと思います。
日本ではとくにめんるいの場合では、「のびちゃうから」といって、バラバラ食べ
はじめることが多いと思います。ドイツはふだん、みんなの注文が来て
からでないと食べはじめない。日本の家でもみんながそろってから食べ
はじめることも多いと思うが、たとえばお父さんがひとりで食べること
も多いという気がします。ドイツでは、そういうの「あら、わいそう」と
われます。あまりないパターンだと思います。



な〜るほどなあ。
でも一応、日本人も

「のびちゃうからお先にどうぞ。」
「すみません、じゃ、遠慮なく。」

といったやりとりをするのが、それなりのマナーではあります。
ラースさんはすでにそのあたりは、観察ずみでしょうけれど。


そして「個食」、いや、「孤食」のお父さん、
これはたしかに、かわいそう!
でも、考えようによっては、どんなに遅く帰っても、
お父さんのための食卓が用意されているだけマシなのかもしれません。
孤食せざるをえないような日本社会の「働き方」(「働かせられ方」か?)が、
そもそも、人間としてマナー違反なのかも!


ところで、私は、ラースさんのこの文章を読んで、
日本という外国で暮らす留学生のみなさんの、「現場」を想像しました。
たとえば、「のびちゃうから」なんていうフレーズ一つから、
単語の意味や、文法や、表現にふさわしい場面や、文化まで、
いろ〜んなことをぐいぐい吸収していくんですね。
スバラシイ!

* * *

ラースさんは、クラスの初めの自己紹介のとき、
福島の原発事故についても少し触れていました。
東日本大震災の後も留学を取りやめずに来てくれて、ありがとう!
そして滞在中、福島の三春町まで行ってくれたことにも、感謝します。
それと、いち早く脱原発を決めたラースさんの国を、私は尊敬します。


ラースさん、またいつか、日本に来てくださいね!
ドイツに帰ってからも、このブログに遊びに来てくださいね!



それにしても......、
「個食」と「孤食」が一発変換されたことに
チョーびっくり!
IMEよ、なんて偏った日本語能力なんだ......
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